やさしく学ぶ品質管理、QC7つ道具

 

【★★★☆☆3つ星 普通】

 

品質管理入門を読んだきっかけ

会社員としての仕事で品質管理について全体像とQC7つ道具がどんなものか知っておく必要があったため。自分の本来の仕事には直接的には関係ありません。

 

品質管理入門に何が書いてあったか

• 品質管理とは、品質保証とは何か。これらの基本的な活動は何か

• 品質管理の中で用いられる手法にはどんなものがあり、どう利用されているか

• 改善活動の進め方やその手順、QC的アプローチとはどんなものか

• 生産部門の活動として、生産準備、製造工程の管理と改善、検査をどう進めるか • 全社的に品質管理活動を進めるうえで、運営上どんな工夫をしているか

• 品質管理活動の効果と推進上心にとどめておくことは何か

品質管理の活動は、”品質上のトラブルをゼロにしよう”といったような、単なる精神活動ではあいません。客観的な事実に基づいて、管理のサイクルを回しながらトラブルを攻めるといったfact controlの活動を基本としています。事実を正しく把握し判断するために、データを心掛け、統計的手法をはじめとした各種の科学的な手法(QC手法)が、品質保証の活動に関係する多くの部門で用いられています。

この忙しいのに、データをとるなんて面倒だ、カンで問題はわかっている。データ、データといっても仕事が良くならなければ何にもならない。データについて批判的な言葉が出る職場でも、よく聞けば、けっこういろいろとデータをとっています。 略 QC手法は、データがベースになるものが多い。職場ではどんなデータがどんな目的でとられているだろうか。このデータをとるのを止めたら、何が困るのだろうか。データは果たして役立っているだろうか。日常どんなデータをとっているか、皆で一度目的を含めて議論してみてください。

QC7つ道具

パレート図 項目別に層別して、出現頻度の大きさの順に並べるとともに、累積和示した図 特性要因図 特定の結果(特性)と要因との関係を系統的に表した図

グラフ データの大きさを図形で表し、視覚に訴えたり、データの大きさの変化を示したりして理解しやすくした図

管理図 連続した観測値又は群にある統計量の値を、通常は時間順又はサンプル番号順に打点した、上側管理限界線、及び/又は、下側管理限界線を持つ図

ヒストグラム 計測値の存在する範囲をいくつかの区間に分けた場合、各区間を底辺とし、その区間に属する測定値の度数に比例する面積をもつ長方形を並べた図

散布図 二つの特性を横軸と縦軸とし、観測値を打点して作るグラフ

チェックシート 係数データを収集する際に、分類項目のどこに集中しているかを見やすくした表又は図

”パレート”とは19世紀のイタリアの経済学者の名前です。資産はあるところにはたくさんあるが、多くの世帯は貧乏であるといった富の不平等な分布を示し、行政の在り方を示唆した学者です。これを品質管理の中で”解決を要する重要問題を選定する”道具として使えるとしたのが、ジュラン博士です。QC7つ道具は、セットとして活用することが大切です。 不適合品の低減を図るためには、どのような不適合品が多いかチェックシートなどで情報を集め、多い不適合品を集中的に減少させることが効果的です。この対象を決めるのにパレート図は有効な道具となります。この対象を攻めるのには、どのような要因があり、管理・改善すべき原因を追究するうえで、その作業に関係する人々の周知を集め、攻めていく手順を整理する上で、特性要因図が利用できます。 不適合品の発生する実態はどうなのか、特性と取り上げた要因について、平均値やばらつきの大きさ、規格との関係など分布の状況、あるいは時間の経過に伴う変化やその管理状態などを把握する上で、ヒストグラムや折れ線グラフ、管理図が役に立ちます。

(全社的な品質管理の導入について、)導入初期は身近な問題の改善に取り組み、その成果による自信と更なる教育の必要性を認識するなど、あまり背伸びせず進めることが望ましいといわれています。最初から大きな効果を期待し、他部門に絡むような難しい問題を取り上げると、改善がなかなかうまく運ばず、挫折感を味わうことが多いようです。

 

品質管理入門から何を学んだか、どう活かすか

知りたいと思っていた品質管理とはどんなことをするのかという全体像と、QC7つ道具について知ることができました。

 

私の仕事には直接的に使うものではないのですが、ホワイトカラーの業務効率化でも思いつきではなく、何に時間がかかっているのかを調べ、特に時間がかかっている業務から効率化をしていくようにパレート図的な考え方をしていきたいところです。

 

本書にもありますが、全社的な改善は部署横断的になることが多く、トップダウン的にでないとうまくいかないところが、業務効率化を進めたい平社員としては難しいところです。